映画評論
「Cheers 」(訳注:1980-90年代に人気を博したアメリカのTVシットコム)のテーマ曲の歌詞にあるように「みんなが自分の名前を知る場所へたまには行きたくなるもの」だ。「Come Back Anytime」に出てくるラーメン店は、愛すべきキャラがそろう常連客たちにとってはそんな場所だ。親しみやすく心温まるこのドキュメンタリーは、優れた一杯のスープの匠の技についての話であると共に、コミュニティーと人のつながりが秘めるパワーに関しても同じくらい言及している……。とてつもなく孤立した1年を経たあとで本作は、温かくウェルカムな雰囲気を再現してくれる。
店のラーメン一杯の中心となるスープのダシと同じように、このドキュメンタリーは一見シンプルだ。だがひとたび味わってみると、実は洗練されていて複雑、思いがけない楽しい数々の材料が一緒くたになってマジカルで満足感にあふれた経験を作り出している。
— Moviepie 8/8
本当にすてきで魅力的な映画だ……。2011年のすばらしいドキュメンタリー映画「二郎は鮨の夢を見る」を比較して思い浮かべるかもしれないが、ダッシュバックは主題に関して、デヴィッド・ゲルブ監督とは異なる人物像を描き出している。切り取る範囲を広げることで、自身の技を常に磨き向上させ続ける人物を肯定的に、より包括的に見ることができるのだ。
―マイケル・ウォード シアトル映画批評家協会 4 stars
愛される類いの料理、その料理をライフワークとして作り続ける才能ある1人の男、その過程で彼が触れた大勢の人生と味覚について考察した、料理ドキュメンタリー最良の作品。
— Concrete Playground「今週ストリーミング視聴可能な優れた映画10本」
「Come Back Anytime 」は、今あるこの時間を存分に楽しむこと、そして情熱と愛と遊び心で自分のために作り出した時間を一緒に共有してくれるコミュニティーに関する作品だ。
— Movies For Reel 4.5/5
本作の前半で主に焦点が当たる食は観る者の胃袋をギュッと掴むが、厨房を離れたときにこそ、より夢中にさせられる。魅力的なラーメン店への心からの賛辞であるこの作品は“味わう”価値がある。
— Exclaim! Magazine 8/10
映画のタイトルが示すように「Come Back Anytime」は、人生の喜びそして悲しみの共有に食が、何度となくどう呼び水になるかを描いている。穏やかな映画で、映像によって食欲が刺激される。社会問題の提起や偉業の話ではない。食が料理する者と食べる者の関係をどう位置付け、そして結びつけるかを実直に描いているだけ。食なくしては、そもそも実現し得なかった姿についてだ。
— 3 Brothers Film 8/10
食欲を刺激するおいしそうな料理の数々の映像に、植田とお客の間に広がる心地よい友情を織り交ぜながら、びぜん亭の1年を温かく親密に描く。
— Broadsheet Melbourne「メルボル国際映画祭2021で見るべき、気分がアガる5本」
1杯のスープのように温かく満足感があって、「深夜食堂」のような愉快な雰囲気の番組が好きな人が見るのにぴったり。
— オーストラリア国際ドキュメンタリー・カンファレンス「メルボルン国際映画祭のドキュメンタリー作品鑑賞用の耳より情報」
1年間植田を観察し、植田と客にインタビューすることでダッシュバックは、魅力的な男と彼の伝説的な料理、そして植田と客がお互いに与え合う大きな影響を描き出している。
Stay tuned for more reviews about the ramen documentary, COME BACK ANYTIME.